北ア・涸沢で一泊二日のキャンプをしてきたときのレポート、1日目のその1です。

本来は涸沢をベースにしてさらに進むのですが、入門編として穂高・槍の魅力を垣間見てきました。


2007年 8月25日(土)

02:00 起床
住宅地ですが金曜の夜中なので割とタクシーや人の気配を感じます。

02:40
シャワーを浴びて、アオブダイ出発。 道路も空いていてすっかりいい気分。

03:10
戸越でアガーさんピックアップ。 うわぁ~、簡単な着替えしか入っていない軽そうなデイパックで登場!

心配性の私には信じられない軽装、ある意味羨ましいです。 数日前、今回はテント泊なのでシュラフをどうするのか聞いたところ、「山小屋でレンタルして、下に敷くマットはいりません」と言っていたのを思い出し妙に納得。

仕事の帰りが遅くまったく寝ていないというので助手席で寝てもらい、首都高4号線~中央道へ入り一路松本を目指します。



白んだ空に八ヶ岳の姿が見えてきました。 甲府盆地を抜けてここまで来ればホッとします。

松本ICで下り、新島々の手前のコンビニでアガーさんお目覚め。 「思ったより寒い」と弱気な発言にニヤッとする私。 17度くらい。 歩き始めればぜったい暑いから大丈夫、と安心させて朝飯と今日明日の昼飯(行動食)を購入。

06:30
沢渡(さわんど)大橋の駐車場に入りました。 山岳部の武田部長は既に到着して荷造りをしている様子。 今回は車ごとにチームを組んで荷物を分配することになっています。 我々も埃っぽい半地下の駐車スペースで荷造り開始。

07:00
二人で共用する食材、クッカー、テントを分配します。 アガーさんのデイパックは小さすぎるので、私のミニチュアザック(15Lくらい)を使ってもらう事にしました。 これなら外側のフラップやデイジーチェーンにテントなどを括りつけることができるので、容量以上に担いでもらえるのです。

本格登山が始めてのアガーさんは、山小屋があるのになぜ水や食料を持っていくのか納得いかない様子。 しょうがないので、お米や切り餅を最小限に減らして減量。 でも、バナナやお菓子を諦めて車に戻すと「コンビニ袋で下げていきますよ!」とモノによっては優先度が高いみたい(笑) コンビニ袋はご遠慮願いました。



結局、私13kg+α、彼8kgくらいで落ち着きました。 準備万端で様子を見に来た部長はなんと16kg+。 部長チームは3人で分配しているのに荷物が多いですが、むしろ得意げな感じ♪ アガーさん、山男とはこうゆうもんなんですよ。

07:30
タクシーの運ちゃんは5人のザックをうまくトランクへ押し込んで得意げ。 一路、上高地バスターミナルを目指します。 今や珍しくなったベンチシートのタクシー。

「兄ちゃんたちどこまで行くの、穂高? 槍?」

前席の翼と俊介がどう応えていいのか分からず困っていると、部長が

「ちょっと涸沢まで行ってキャンプしてくるだけです」

と、うまく応えます。
その後も運ちゃんの訛り交じりの話に前席の二人はあいまいな返事を返しつつ、釜トンネルを抜け、山々が美しく映り込んだ大正池が現れると歓声が上がりました。

07:55
上高地バスターミナルに到着、早々に歩き始めます。

「これが梓川か~」
「おっ、ちょうど8時じゃん! 8じちょおーどのー♪」
「それダメです! 上り列車だから」

キャンプ場の子ども達やハイキングの家族連れで賑わう中を大荷物を背負って歩くので変な感じ。 先頭を歩くアガーさんのペースが微妙に遅い... でも私は、ガイド本で何度も眺めた写真そのままの風景を目にし感慨に浸っていました。


木々の間から前穂の南側に位置する明神岳を望みます。

08:45 明神館通過


のんびり歩いていると、100Lくらいのザックにヘルメットをぶら下げたカップルに追い抜かれました。
軽そうなスニーカーを履いているところがただ者ではない雰囲気、荷物の割りに歩くペースが相当速いです。 普段からトレーニングを欠かさない人種に違いない。


梓川の左奥に屏風岩が見えてきました。 一番奥の白っぽい山は大天井岳。

09:35 徳沢園通過

平坦な道が続くので皆余裕があるようです。 部長に「じゃあ、蝶ヶ岳上ってから行きますか!」と言われたのですが聞こえないふり。 蝶ヶ岳はこれから進む道のりのすぐ右側にある山ですが、標高差でかるーく1000mあるところを余計に上下するなんて冗談じゃありません。


前穂と北尾根の荒々しい姿に圧倒されます。 手前が奥又白(おくまたじろ)谷。

こんな軽いハイキングが続くと見切ったのか、突然アガーさんの歩くペースが上がりました。 他の人の荷物が重たいこととかまったく考えていない速さだ!
悔しいのでとりあえず翼と一緒に追いかけます。


静観してペースを守る二人。

しばらくすると、

さっき抜かれた100Lカップルの姿が現れました(奥の二人)。

追い越そうとするアガーさんと翼。 うそーん。 慌ててダッシュをかましアガーさんに声をかける。

「速すぎです、あの二人より速いというのは有り得ませんから!」
「あ、そうなんですかぁー」

そんなに頑張らなくてもいいことに安心した様子。 放っておくと徐々に速度を上げパワー全開になってしまう暴走機関車のような人。。。


横尾大橋の前でテレマークポジションをキメル。

10:20 横尾山荘到着



前穂をバックに


屏風岩に喧嘩を売る部長

10:40 横尾山荘出発

横尾大橋を渡って支流の横尾谷へ入ります。 上りは緩いのですが林の小道なので少し蒸し暑く、今までと比べて疲れが出てきます。


屏風岩。 岩肌部分だけで高低差500mはあるようです。 すごい迫力!


横尾谷の奥に見えるアレは北穂かな! スゴーイ! いよいよ奥に入ってきた感じがします。 道が狭いのでなかなか追い越しをできずペースが上がりません。

11:30 本谷(ほんだに)橋到着


涸沢の下流を右岸へ渡る橋。 けっこう揺れるので、一人きりにならないと渡らない人も多い。 なにも感じない連中はこのようにぞろぞろ渡ってくる。


真ん中でちょっと怯む俊介は正常。


橋のたもとの木陰で休む人たち。 気温も上がり、皆けっこうお疲れの様子。

11:40 本谷橋出発

ここから徐々に上り傾斜がキツくなりますが、最後のレグなので気合いも入ります。 涸沢のゴールまでは標高差500mくらい。


振り向けばガケの向こうに横尾尾根


おぉー、いかにも氷河が削った谷っぽくなってきたぞー、と、そんなことで嬉しい。

12:30 ~ 12:40 道端で小休止


もう少しで着くぞ! 周りの景色に圧倒されます。

<< つづく >>