少年時代の私は、父が夜中に録画していたウィンブルドン大会のビデオで、
世界のトッププレイヤーを知った。

ジョン・マッケンロー、ビョルン・ボルグ、イワン・レンドル、ボリス・ベッカー、
マッツ・ビランデル、ステファン・エドベリ・・・

そんな少年時代の記憶の中で、最後を飾るのがピート・サンプラスそして、アンドレ・アガシである。

あくまでも私の記憶でのことなので、実際にどうだったのかはわからないが、
若い頃はライバルとしてしのぎを削り、
2人とも一時期落ち込み、2人とも30代になって再びトップに上がってきた。
(サンプラスは2002年の全米、アガシは2003年の全豪で優勝)

昔のアガシは、とてもチャラい感じでテニスプレイヤーには全く見えなかった。
コート上でもはしゃいでパフォーマンスをしていた覚えがある。

グラフとの再婚後、再びあがってきたアガシは、スキンヘッドで落ち着いていて、
なんだか神経質な動きでちょこちょこ歩いていた印象がある。
成績も安定して、キャリアの最後数年の4大大会では常にベスト8、
ベスト4に上がってきていた様な気がする。

ベロリと舌を出し、相手をにらみつけるサンプラス、
なんだか悟りを開いたように、落ち着いて相手の出方を見るアガシ。
彼らの活躍を見ながら、思わず涙ぐんだことさえ、私にはある。
(酔ってたけど)

彼の引退で、私が子供の頃見ていた選手たちはいなくなってしまった。
今のテニス会では絶対的に君臨してきたロジャー・フェデラーと、
前回の全英でアガシを破って勝ち上がり、ついに芝でフェデラーを破った
ラファエル・ナダルとのライバル対決になっている気がする。

まだ20歳のナダルは、間違いなくこれから1時代を築いていくことだろう。
これからサンプラスやアガシのような、素敵な試合を見せてもらいたい。

21年という長い間、(一時期は落ち込んでいたけど)世界のトップで戦い続けてきた、
アガシに乾杯!おつかれっ!!