今年入社の新人は総勢17名。4月中旬のある日、新人に伝えた。「今年の新人研修旅行は、GW明けの5/13~15に箱根で行います」と。新人たちは皆一様にキョトンとした顔をした後に喜びの表情へと変化した。研修が浮き足立たない様にこの日まで旅行の話をしてこなかったので、新人たちは「旅行は無いかもしれない」と思っていたらしい。
自己紹介

 ■1日目
 当日の朝、先輩社員の車8台で箱根に向かうが、先ずはドライバーミーティング。事故だけは気をつけてください。
 本社前に集合したのでそこから箱根に向かう。本社がある田町から箱根はとても近いとは言っても、中には当日になって初めて顔をあわせる先輩社員もいるので、会話が弾むか若干心配(?)したが、新人達には事前にお気に入りのミュージックソースを持参するように伝えておいたので、それをきっかけに会話も弾んだようだ。物静かな先輩社員がB’zのファンだったり、研修なんかしないで一日中ドライブをしたくなるような音楽があったり、雅楽やお琴まであり、会話には困らなかったようだ。そして、ほぼ定刻どおりTJK箱根の森に到着。「3日間、お世話になります。」
研修場所

 研修を始める前に先ずは自己紹介、今回の旅行の目的と全体スケジュールの確認し、いよいよ研修の開始。と思ったら、もう昼食タイムになってしまった。

 13時、昼食後のひととき、箱根には心地よいそよ風、それはシエスタ(昼寝のことね)には最適のひととき・・・。なんてことはありません。4月1日に入社し、これまでずっとプログラムに関する勉強をしてきた新人には、頭に叩き込む講義よりも大切なことがあります。それは人から話を聞きだすこと、仲間とコミュニケーションをとること、相手に話を伝えること。この3日間の研修カリキュラムは、そんなことに重点を置いている。もちろんリフレッシュと親睦も大切だ。

 最初のカリキュラムは、実際の業務に近い内容として「擬似基本設計とプレゼンテーション」だ。プログラムのことは知らない擬似お客様(先輩社員)から要望を聞き出し、提案書をまとめて発表するというものだ。なお、このカリキュラム自体の失敗は無いという認識だ。なぜなら、新人の発表に対してもっとああすれば良かった、この点はどうなっているのか、そのような場合はどうすればよいのか、などと突っ込みを入れ、今後の配属後の業務を行う際に役立てる趣旨だからだ。
 発表は翌朝に行うのだが、短いながらも持ち時間をコントロールする先輩社員のおかげで、何も生産物が存在しないチームはなかった。
グループワーク

 夕方からは、お約束の「夜のマナー講習」だ。講師の晋太朗君が手品師のごとくジャケットからお調子やお猪口を取り出し、お酒の注ぎ方を教える場・・・ではありません。
 ・お酒が苦手な人も不快な思いをさせずに一緒に楽しみましょう
 ・注いでもらったら、ちょっと口をつけてからグラス置くと、相手は気持ち良いですね
 ・注いでくれた相手は、意外と自分が飲みたくて注いでいるケースがあります。お返ししましょう
 ・アルファ・ウェーブでは、お酒を無理強いする先輩はいません
話はお酒だけにとどまらず
 ・(この宿のような)公衆浴場では、使用後の風呂桶は濯いでから伏せましょう
 ・盛り上がるのは構いませんが、周りのお客様にも気を配りましょう
など、一貫して「マナーとは何ぞや!」というのがテーマになっている。どのようなシーンでも、相手の立場を考えて行動しましょう。
マナー

 初日の最後の公式カリキュラムは「夜のマナー実践編」ではないが、楽しい夕食タイムだ。先ほどの講義内容を楽しみながら実践する。先輩後輩の距離が一気に近づいたのではないだろうか?
 例年、若干盛り上がり過ぎてしまうのだが、今年はどうだっただろう? 周りのお客様に迷惑はお掛けしていなかっただろうか? その答えは私達には出せないが、他のお客様から苦情は出ていなかった(筈だ)。
夕食

 公式イベントが全て終了したからといって、イベントが全て終了したわけではない。温泉卓球、ダーツ、部屋飲みなど、深夜まで楽しんだようだ。(私は不覚にも寝てしまった。いやぁ、とっても早起きだったので・・・)
非公式

 ■2日目
 翌朝、箱根の心地よい温泉で頭を起こし、朝食バイキングだ。TJK箱根の森は、この朝食がとてもイカしている。そのせいで、満腹の苦しい状態で講義に望まなければならない。
 最初のカリキュラムは、昨日の基本設計の発表だ。夕べのお酒と睡眠不足が若干残る中での重い空気の発表になるかと思ったが、発表する側は若さでそれらを克服したようだ。先輩社員も気合で克服していた。
 肝心の発表では、設計の詰めが甘いのはもちろんのこと、「基本設計の成果物は何か?」さえ知らない新人達なので画面イメージすらないチームがあったり、発表中にチーム内で認識違いが発覚したりと、いろんな失敗を体験できる良い機会となったのではないだろうか? 仕事を進めていく上で大切なことは何か? 成果物? 聞き方? 話し方? 時間の使い方? 確認方法? これからは様々なことを意識しながら研修を進めて欲しい。
 また、発表後に行った新人同士の指摘し合いでも予想以上に討論になったと思うが、相手は(擬似)お客様なのだから、それなりの接し方をしなければいけないのと同時に、自分の意見を通すのではなく、他のチームの良いところを積極的に取り込む姿勢が大切ですね。
 先輩からは、ぐうの音も出ないような鋭い指摘をされたり、はたまた褒められたりで、これもまた良い経験となりました。
発表

 昼食後は、志村さんと尾嵜君から、ホウレンソウについての講義。小さな志村さんが大きく見える力の入った講義。報告/連絡/相談はビジネスマンには必須だ。私たちは、技術者である前にビジネスマンで無ければならない。4月1日から新人研修を開始して、これまでの間にこれができなくて研修講師に叱られたことがある新人もいるだろうが、入社時よりはだいぶ良くなってきている。この講義を契機に完璧に近づいて欲しいものである。
ホウレンソウ

 そして、なぜか新人達の間でとても期待されていたらしい「バレーボール」の時間。社会人足るもの体が資本。また健全な精神は健全な肉体に宿るというし、とにかく先輩後輩も関係なく息抜きタイム。予約した体育館はとても立派で、こんな立派な体育館にお目にかかったことはありませんでした。
 この時間はバレー部の尾嵜君に仕切ってもらいました。コート準備の後は簡単なバレー部の活動紹介兼勧誘、そして準備体操。ちなみに私は準備体操のための準備体操をすでに終えている。その後は4チームに分かれての練習になった。突き指をしないトスの上げ方、痛くないレシーブ、アタックの振りぬき方、サーブ練習などを行った後、いよいよ試合だ。
 4チームの総当たり戦で楽しんだ後、空いた時間で先輩vs新人を行った。これも盛り上がった。仕切ってくれた尾嵜君、ありがとう。ところで結果だが、突き指が1名、ひざ擦り剥きが若干名、レシーブの青アザが多数といった具合だ。バレーは痛いけど面白いスポーツだった。
 ちなみに尾嵜君は去年の新人だが、ふだん事務所で接するときの気の利き具合が素晴らしいので、彼のリーダーに頼んで参加してもらった。
バレーボール

 この日最後の公式イベントは、夕食タイム。昨日同様、皆楽しんだ。

 そして昨日は参加し損ねた非公式イベントに参加した。ダーツ、ビリヤード、卓球、カラオケ、部屋飲み。それぞれで皆が交流を深めていた。カラオケでは「自称アルファのAYU」が「カラオケはスポーツです」と1曲目からオンステージだったそうだ。また私事で恐縮だが、私は年を重ねるごとに運動神経が発達しているようで、ちゃんとラリーが続く卓球になっていた。
 部屋飲みでは、新人が地元九州の芋焼酎を持参していて、それを振舞ってくれた。味も気持ちも良かった。私は25:30に就寝。皆はいつまでか?

 ■3日目
 再度、温泉と満腹朝食の後、講義に望む。最初の講義は「説明しよう!」だ。どこかのアニメのナレーションのようだが、今回の研修旅行の目的の1つである「相手に話を伝えること」の実践のひとつでもある。インシデント報告、バグの報告、プログラムの説明など、各自に1つずつ課題を与え、発表と指摘をしあった。これには時間が掛かり過ぎてしまった。反省点である。
説明

 続いて、講義中に鋭い指摘を連発してくれた結城君を講師に、PCの分解と組み立て。研修講師の寳田さんや、志村さんも受講する立場で「解体を楽しむ」気で参加していた。あのぉ、「解体」でなく「分解」ですから、お手柔らかに。
 女性の中にはドライバーの使い方を知らない人がいたり、力が無いが故に全力で分解して「バキッ」て音をさせたり、ヒヤヒヤしました。
 ちなみに1チームが組み立てたPCは起動せず、後日三田で補習(補修?)を行うこととして終了となった。
ハードウェア

 室内講義の最後として、社長にお話をいただいた。「アルファ・ウェーブの先輩たちは、他の協力会社の方から『挨拶や態度が素晴らしい』と褒められることが多い。みなさんもそうなって欲しい」という趣旨だった。

 昼食後は、正真正銘最後のイベントのテニス。予約したコートは室内が1面しかないので天気を心配したが、若干涼しかったものの雨は降らずに持ちこたえてくれた。
 テニス部の佐伯君が全員に数球の球出しをして、その返し方で初心者か否かのチーム分け。初心者チームは、新人のテニス経験者からラケットの握り方、スイングでフォア/バック、ボレーでフォア/バック、サーブを一通り教わった。都度一人一人に適切なアドバイスをくれるので、練習量こそ少なくなってしまったが、弱点を理解しやすかった。
 練習の後は上級者(?)初心者でペアを組んで2セットマッチの試合を行った。まあ、ナカナカ試合として成り立ちにくい所もあったようだ。
テニス

 夕方、これで全ての公式カリキュラムが終了した。今回、この旅行に参加し、旅行を盛り上げてくれた先輩社員のみなさん、ありがとうございました。

 ■後日
 研修生に書かせた旅行の報告書では、次のような記述をしてくれた新人が数名いた。「機会があれば今度は先輩社員として研修旅行に参加したいなと思いました。後輩たちが楽しい時間を過ごせるように、先輩がしてくれたように後輩のために何かできればと思いました。」
 来年を楽しみにしています。
記念撮影