4月29日の12:00にスタートした「沖縄‐東海ヨットレース 2010」も150時間を掛けて5月6日に蒲郡のラグナマリーナへ無事フィニッシュすることが出来ました。

奄美大島付近ではカームに捕まり忍耐のレースとなりましたが、鹿児島付近からは黒潮に乗り一気にスピードアップ。振り返ればあっという間の日々でした。

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全日程に渡り、太陽には恵まれ寒い思いや濡れることは無かったので割りと過ごし易い日々ではあったのですが、4日目辺りにトリムしながら無意識に頭を掻いているヒロさんの姿が見受けられました。
皆、同じ状況なのでお互い気になりませんでしたが、もしこの集団がこのまま山手線に乗ったらきっと僕らの周りだけ空いていたことでしょう。



携帯電話の電波も入らず、新聞、テレビ、インターネットといった情報も無い生活というのは普段は考えられませんが、このような状況になってみるとこれはこれで意外と世捨て人気分で良い物です。



唯一の外部との接点は一日3回行われる、主催者と衛星電話を使って行うロールコールです。
この時は名前以外顔も分からない相手なのですが、親近感が沸きます。



昼間6時間、夜間4時間のワッチ交代も慣れてくると、意外と楽で普段より健康的な生活を送れていました。そして、このレースの間に海の色々な景色を楽しませていただきました。



昼間は、イルカの群れに何度か会い、ウミガメがヨットの真横を泳いでいく姿に癒されたり、メジマグロのボイルを見かけ釣り人として興奮したりしていました。



夜はと言うと、ヨットが作る波しぶきに夜光虫が刺激され幻想的に輝いていました。
スタートした日の月は満月でしたが、日に日に欠けていくのを見て日が経つのを感じたりしていて、おそらくこんなに夜空を眺めていたのは今までの人生で初だと思います。



大きなトラブルは特にありませんでしたが、高気圧に囲まれ長丁場になったために水や食料の残量は多少気にしていましたが、お湯などを沸かしていたガスが途中で無くなり電気ジャーでお湯を沸かすことになるというプチハプニングはありました。



1位でフィニッシュしたGUSTには約1日位の差を付けられましたが、振り返れば前半の奄美大島付近で略全艇がカームに捕まり停滞している中、弱い風をうまく捕まえ抜け出た時から独走状態でした。

ESPRiTの着順は参加艇11艇中4着(4艇リタイア)でしたが、ゴールした時はとても気持ちの良い達成感を味わうことができたと思います。



数日振りにヨットから桟橋に降り、地に足を着けた時は陸酔いでジャックスパロウばりにフラフラと千鳥足になってしまいました。

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ゴールした時は、主催者の方たちが出迎えてくれ一緒に夕食をご馳走になりました。主催者の方達も常にレースの状況を見守り、様々な時間帯にフィニッシュしてくる艇を全て温かく迎えてくれ本当に大変だったと思います。



航跡はGoogle earth で1時間毎の位置を確認できるようになっています。



久々に復活したロングレースですが、今後も続く様に願っております。

レース主催者のHPはhttp://okinawa.toscrace.jp/